黒字法人割合(2012_3月号)

2012_03月号柴田先生  黒字法人割合

国税庁が発表した法人の黒字申告割合は、平成22年度(平成22年4月1日から平成23年3月31日までに終了した事業年度に係る申告)では25.2%と過去最低を記録した。申告された全国276万法人の実に4分の3が赤字企業という訳だ。

一方、あさひ会計の法人顧客様の黒字率は年々下がり続けているものの、平成22年度では60.1%とかなり健闘している。しかし、平成16年度の黒字率は66.7%だったのだから6年間でお客様の黒字率が6.6%も減っており、企業参謀を標榜する私達として忸怩たる思いだ。

201203黒字法人割合

先日、ある社長様から「TKCの会計事務所に頼めば黒字になるのですか?」という質問を受けた。どうもTKC全国会のTVコマーシャルに触発されたらしい。「私たちは黒字決算を積極的に支援しています。強みを生かし限界利益を高めます。内部留保を厚くし、自己資本比率を高めます。それにはまず、黒字決算が不可欠です。私達にお任せ下さい。」というコマーシャルだ。

ポイントは「強みを生かし限界利益を高める」ことなのだろうが、経営者といえどもそう簡単にはいかない。ましてや、会計事務所が「社長!売上が足りません。利益率をもっと上げて下さい。」などといっても具体的な提案もなく、机上の空論にもならない。

あさひ会計では、全員がMQ会計に取り組んでいる。MQ会計では経営をP(販売単価)、V(変動費単価)、Q(数量)、F(固定費)の4つの要素で捉える。

黒字(あるいは目標利益)を達成するにはPを何%上げれば良いのか、Vを何%下げれば良いのか、Qを何%上げれば良いのか、Fを何%下げれば良いのかをシミュレーション(経営要素の感度分析)して社長様にお見せし、P、V、Q、Fを改善する具体的な方策を社長様と一緒になって検討する。それを基に次年度の経営目標をたて、経営計画を策定することとなる。

MQ会計で経営分析をする場合の一番のミソはQを何にするかである。このQは財務数値としては把握されていない。社長様が管理数値として何が一番ピンとくるかである。また、複数の部門や複数の商品群やいくつもの販売ルートを持っている場合は、それぞれにMQ図表を作成して検討することになる。是非、担当者にお声掛け頂きMQ会計を実践して頂きたい。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。