先日、月に10億円の売上をあげて全国の新人営業のトップになり、その4年後には1ヶ月で6億円の手数料を叩き出し「野村證券・伝説の営業マン」と呼ばれた市村洋文氏の講演を聞く機会があった。
市村洋文氏は「事業は、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のサイクルをまわして進めるというが、実際は計画(Plan)、実行(Do)だけで終わってしまい、その先の評価(Check)、改善(Act)のサイクルが回っていないから成果が出ないのだ」と断言する。なるほど、あさひ会計では多くの企業様にMQ会計を導入してもらい、P(販売価格)、V(仕入価格)、Q(数量)、F(固定費)の4つの要素ごとにその改善策を策定して活動をはじめるのだが、1年後の決算では目指した業績が実現できていないことが多い。
社長様には決算MQで4つの要素ごとに改善策を計画(Plan)し、それを実行(Do)して頂いているが、まさに、市村洋文氏が指摘しているようにその後の評(Check)、改善(Act)がないため、P,D,C,Aの管理サイクルが回らず目標利益の実現に至らないというケースが多いのだ。そこで、決算MQを実施していただいた会社には引き続き月次MQ(毎月前年比較、計画比較)を実施していただき、評価(Check)、改善(Act)の段階までサイクルを回していただくことにした。
市村洋文氏は仕事の本質は「3W1H」で分析するという。月次MQに例えればこうだ。
決算MQでQアップのための改善策として「新規取引先を開拓する」と具体策を立てたとする。その後、毎月お伺いして月次MQを実施してQの数値を計画と比較し「新規のお客様が増えていませんねえ。」とお聞きすると、社長様は「忙しいし、電話をするんだがアポがなかなか取れないんだよ。」とお答えになる。「そうですか。それじゃぁ、引き続き頑張ってください。」では、おそらく来月も同じ答えが返ってきて終わってしまう。これではPlan、Do、Plan、Doの繰り返しでしかない。
新規顧客開拓のための訪問ができなかったのはQ1何が問題?<What>「なかなかアポが取れなくてねえ。」、Q2どこに問題?<Where>「見込客のリストアップもできていないんだ。」Q3なぜ?<Why>「片腕がいないし、時間が無くて。」Q4どうしたら実現しますか?<How to> 「とりあえず見込客のリストアップをして、優先的に月2日間は新規顧客開拓のための訪問時間を確保するよ。」
「じゃ、今月からお願いします。」 このくらい踏み込まないと評価(Check)、改善(Act)にならない。このように3W1Hの対応をP(価格)、V(変動費)、Q(数量)、F(固定費)の4つの要素ごとに毎月毎月繰り返せば間違いなく成果は上がるはずだ。