日本中の会計事務所では、「お客様からお預かりした伝票、書類から会計ソフトに仕訳を“入力”する」ことを日常的に行っている。
あさひ会計では、仕訳の枕詞である“入力”のワードをなくすべく、プロジェクトチームを立ち上げ、Full Auto Journalを推進している。Full Auto Journalは、API連携※1や早業BANK※2、RPA※3を活用することで、ヒトが会計ソフトに日付、借方科目、貸方科目、金額、部門、課税区分、摘要などを入力せずに、仕訳をデジタルデータや銀行取引データなどから自動変換、自動仕訳処理するというものである。
Full Auto Journalは、“仕訳入力業務は会計事務所の基本業務である”というルールをChangeする取組であり、あさひ会計では、全国の会計事務所に先駆けて推進している。お客様にも、これまでの入力業務の支援から、入力業務をなくし中小企業の生産性向上という新たなサービスとしてこれを開始した。
昨年は北海道から沖縄まで全国でセミナーの開催依頼があり、全国の若手会計人を中心にRPA、早業BANK導入の取組が加速的に広がっている。
これまで大企業を中心に導入が進んできたAI、RPA、IoTは、間もなくあらゆる産業の隅々にいきわたる。サービス、モノを求める側と提供する側を直接つなぐプラットフォームはあらゆる業界に影響を与えている。
さらに進んで、Lancers※4など仕事を発注したい側と仕事を受けたい側をマッチングしていくITサービスも数多くある。
新たなテクノロジーは、あらゆる業界に痛みと恩恵をいきわたらせることであろう。痛みと恩恵、弱体化と成長の分岐が目の前にある。これまでのルールに従うか、ルールを変える側になるか。これまでの成功体験に従うか、成功体験を否定するか。
革新とは新たな取組の前に、自己の前提の根本的否定から始まる。テクノロジーにより、これまでの市場ルールを変えることは可能だ。
※1 銀行やカード会社など外部システムへのアクセスを許諾し、システムを利用する機能
※2 仕訳の基礎情報エクセルデータを会計ソフトに取込可能な形式に変換するツール
※3 Robotic Process Automation、データ入力や複数アプリケーションの連携を行うソフトウェアロボット
※4 昨年、設立した(株)ASAHI Accounting Robot研究所の名刺デザインとロゴは、Lancersを通じて、サイト上で仕事を発注。こちらのデザインイメージに対して30名のデザイナーから出てきた案をサイト上から選択して採用した