IT化のすすめ(2016_12月号)

201610柴田先生IT化のすすめ(2016_12月号)

日本の労働生産性は先進7か国中19年間連続で最下位だという。なかでも日本のサービス産業の労働生産性は米国のサービス産業の5割程度だ。個々の日本人は勤勉で、教育レベルが高く、忍耐強いと評価は高いのだが、どうも生産性には結びついていないようだ。

かつて倒産しそうになった会社にトヨタ式生産方式の生みの親、大野耐一副社長の直弟子である鈴村喜久男氏がきて、開口一番「あなたたち頑張りなさんな!」と言ったのを思い出すのだが、日本人ビジネスマンの頑張りは方向性が違うのかもしれない。

今、日本の生産性の向上にIT技術が一役買おうとしている。例えば、クラウド型スケジューラーなら出張、外出、来客といった予定をどこからでも書き込むことが出来るだけではなく、集計・分析をすることが可能であり、社員に効率の良い時間の使い方を指導することができるという。また、ビジネスマンはコミュニケーションに73%の時間を使用しているというデータもあるのだが、チャットワークを使えば①複数のメンバーとメッセージのやり取りが可能であり(グループチャット機能)、②他のメンバーやアカウントを作ってもらったお客様とのコミュニケーションから発生したタスクについては、その依頼から管理までを効率的に行うことが出来(タスク管理機能)、③ワードやエクセル、画像といったファイルをチャットワーク上で保管し、メンバーはダウンロードして利用することが可能であり(ファイル共有機能)、かつ④チャットワークを使ってビデオ通話や音声通話を無料でできる(ビデオ通話機能)というわけだ。

生産性の向上には、「やらない事を決める」のが重要だという。基本的には“移動しない”“探さない”“繰り返さない”ことだ。その上で、やることを「仕組み化」して、やるべきことに「集中」することにより効率性を上げることができる。

会計事務所もお客様との間がチャットワークでつながれば、質問や相談をいつでも、どこでも受けることができ、時間の空いた時に直ぐにチャットワークからお答えし、必要ならば資料を添付して画像を通しての会議も可能となる。クラウド会計を利用すれば、お客様と会計事務所で情報が共有化され、AIによる自動仕訳機能などにより効率化はさらに進むだろう。また、Sansan㈱が運営するEightによるオンライン名刺管理ソフトを導入すれば、名刺情報の登録が容易になるだけでなく、戦略的な名刺の活用が可能となる。

日本マイクロソフト社は、“クラウドファースト+モバイルファースト”を標語にワークスタイルを変革し、事業生産性を26%引上げ、かつ、社員の満足度を40%向上させ、今や自社のワークスタイルを商品化している。

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