これまであさひ会計は経営改善手法としてMQ会計を用いてきたが、これらの経営改善事例や手法をまとめた著書『実践MQ会計』をこのたびPHP研究所から出版した。
MQ会計のポイントは、企業を経営する上において利益がゼロになる損益分岐点は4つあり、この4つの損益分岐点の視点から経営を眺めると経営の要諦が見えてくるというものである。4つの損益分岐点の1つはP(販売価格)であり、稲盛和夫京セラ名誉会長が説く「値決めは経営なり」という視点である。2つ目はV(仕入価格)であり、「3社見積2社購買」といった視点である。3つ目はQ(販売数量)であるが、「自社の本当の商品は何か?」の解明が重要な視点になる。4つ目はF(固定費)で「売上を最大に、経費を最小に」というアメーバ経営の視点である。
あさひ会計では、MQ会計を用いて4つの損益分岐点の視点から前期比較による利益増減分析をおこなって利益が増減した要因を明確にし、それを踏まえて社長様と一緒に4つの損益分岐点の視点から次期計画を立案して、具体的な行動計画を策定している。
例えば、MQ会計では「前期より売上が増えていますが利益が減っています。その要因はP(販売単価)が2%減少していて利益が375万円減少し、V(仕入単価)が3%増加して利益が169万円減少し、Q(販売数量)は4%増加していますので利益は525万円増加していますが、F(固定費)が130万円増加していますので、結局、売上は750万円増加していますが利益は149万円減少しています。」といった分析が可能となる。
その上で具体策を社長様と協議して「来期は値下げを制限してP(販売価格)を3%上げることにしましょう。V(仕入価格)もネット販売を利用して2%下げましょう。Q(販売数量)は現状維持として、F(固定費)は5%下げましょう。そうすれば利益は○○万円になります。」といった利益計画を策定する。しかし、実際に利益を増やすのは毎月毎月のCheck(評価)とAct(改善)の継続だ。
著書では「居酒屋」や「タクシー会社」「動物病院」「鋳物工場」「精密加工工場」の事例を載せているほか、P(販売価格)のアップのポイント、V(仕入価格)のダウンのポイント、
Q(販売数量)アップのポイント、F(固定費)ダウンのポイントを記載している。
また、P(販売価格)を10%上げて、Q(販売数量)が20%減少した場合でも実は利益は増加するといってシミュレーションも掲載している。
ご興味のある方は、あさひ会計の担当者、もしくはあさひ会計の「MQ会計推進委員会」にご一報いただきたい。是非、ご一緒に経営改善に取り組ませて頂ければ幸いである。