年次有給休暇の計画的付与について(2014_8月号)

年次有給休暇の計画的付与について(2014_8月号)

アウトソーシング1部  茂木ゆう子

平成25年11月に発表された厚生労働省の就労条件総合調査結果では、有給休暇の取得率は47.1%と前回調査時よりも取得率が下がっています。

年次有給休暇の取得を促進するために、労働基準法では、従業員の年次有給休暇の取得日を計画的に割り振ることができる制度「年次有給休暇の計画的付与制度」が設けられています。

計画的付与制度を導入することによる会社のメリットとして、①計画的に付与することで退職時点での未消化の有給休暇の買い取り額を抑えられる、②繁忙期の有給休暇取得の抑制、などがあげられます。また、休暇を取ることで従業員がリフレッシュし、気持ちよく仕事に取り組むことができるようになります。

上手にこの制度を活用してみませんか?

◎付与日数のうち5日を除いた日数を計画的付与の対象にできます!

年次有給休暇の日数のうち5日は、個人が自由に取得できる日数として必ず残しておく必要がありますが、5日を超える部分は計画的に付与することができます。前年に取得されずに繰り越された日数も含めて5日を超える部分を対象にすることができます。(下図参照)

年次有給休暇の計画的付与について_図(2014_8月号)

◎事業場全体の休業による一斉付与ができます!

ゴールデンウィークなど休日が飛び石となっている場合や、お盆・年末年始などに組み合わせて大型連休にしたり、閑散期などに事業場全体を休業にすることができます。一斉休業をすることにより光熱費の削減にもなります。

◎班・グループ別に交代付与をすることができます!

それぞれの課などをグループに分けて、グループ毎に年次有給休暇の計画的付与日数を設定し、交代で付与します。一斉休業するのが難しい事業場で閑散期や土曜日などに活用してはいかがでしょう。

◎個人別に付与することもできます!

従業員や家族の誕生日休暇や個人的な記念日を休暇として付与したり、リフレッシュ休暇として連続休暇を個別に設定してもよいでしょう。

※制度を導入するために必要なこと

就業規則で規定を定め、労使協定を結ぶ必要があります。
また、従業員が持っている有給休暇の日数が、計画的付与の対象日数に足りない場合の対応も検討しておく必要があります。

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